傑作!実話ジャーナリズム映画 SPOTLIGHT


SPOTLIGHT

 
スポットライト 世紀のスクープ


非常に硬派でシリアスな実話ジャーナリズム映画の傑作!


時は、2001年、舞台はアメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン。

ストーリーは…2001年における新聞記者の取材をもとに
2002年、年明け早々に地元新聞紙ボストン・グローブに
ボストン・カトリック司教区のジョン・ゲーガン神父が
過去数十年に渡り、未成年者に性的虐待を行ってきていたこと、それに関する訴訟事件のことが
初めて全世界に知られることとなった注目記事(=スポットライト)が掲載され、
映画は、その実在の事件を新聞記者の目を通して詳細に描いています。


ちなみに、その記事は翌年、ピューリッツアー賞に輝いています。

当時、既にUSAに暮らしていた私は
この衝撃的なスクープ記事、その後のメディアの扱い、
ボストン司教区だけではなく、
その後、全米中、世界中で似たような事件が明るみに出て来たことを今でも鮮明に覚えています。

以下、私の感想のみでストーリーのネタバレはありません。

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ローマ・カトリック教神父の“未成年者に対する性的虐待”については
1900年代から既にウワサになり、少々明るみには出ていたが
それらについて論議することは、ある意味“タブー”で、まさに誰もが見て見ぬフリであった。

カトリック教徒にとって
神父は“ファーザー”と呼ばれる唯一の神聖なる神であって、その権限は絶大で
その“神”が“未成年者に性的虐待を行っていた”ということは
にわかには誰もが信じ難いセンシティブなことで口外することすら、はばかれる。

そして、まるで”被害者自身に問題があったため、その事が起こってしまった”というような風潮で
被害者は罪の意識にさいなまれ、自分のことを恥じて
その後の彼らの人生に大きな悪影響を及ぼしていたにも関わらず、
加害者は罪を罪として認めずに
何年も何十年も、事件そのものは解決していなかった、または現在も解決していない…
とても恐ろしい現実を突きつけられ、映画を観ながら、いろいろ考えさせられました。

皆、“司教区で何かが起こっている”と薄々分かっていても
“行動を起こすこと”を躊躇していた15年ほど前の実情が
カトリック教の内情も含め、詳細に描かれている作品。

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ボストン・グローブ誌の中で、独自に事件を探求し追跡してスクープ記事にする、
“スポットライト”編集部のチーフ、マイケル・キートンを始め、
部下の記者、マーク・ラファロ、レイチェル・マクアダムス、ブライアン・ダーシー・ジェームズ、
そして彼らの直属上司役のジョン・スラッテリー、編集長役のリーヴ・シュライバー、
弁護士役のスタンリー・トゥッチなど、
出演している俳優が実在の人物を演じていて、彼らの熱演がとても光っています。


年末年始の映画祭の賞レースの各部門にノミネートされることは確実でしょう!


ジャーナリズムとは、周囲の大きな圧力に屈せずに、このようなトピックを報道すべきで
ジャーナリストとは、このような粘り強い地道な取材によってこそ、
“スポットライト”記事が後に大々的に論議されるであろう…という、
ジャーナリズムの基本のようなストーリーです。


映画 SPOTLIGHT (原題 スポットライト)は
余計なコトは一切描かれず、事件にのみフォーカスした内容で
時間を忘れるほど集中して観入ってしまった、すばらしい作品!


映画 SPOTLIGHT スポットライト 世紀のスクープ は日本では来春公開予定。


追記: 上記にも書いたように、予想通り! SPOTLIGHT スポットライト 世紀のスクープ
様々な賞レースにノミネートされました!

アカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、
助演男優賞(マーク・ラファロ)、助演女優賞(レイチェル・マクアダムス)
6部門にノミネート!


追記: SPOTLIGHT  スポットライト 世紀のスクープ
アカデミー賞 最優秀作品賞、最優秀脚本賞に輝きました!



私の採点   ★★★★★ (満点5つ星)


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by Schatz1995 | 2015-12-07 06:27 | 2015年全米公開映画 | Comments(8)
Commented by ちーぷさいど at 2015-12-07 07:33 x
こんにちは(^^)/

この作品、すごく注目しております。ジャーナリズムとはこうあるべきのお手本のような事件ですよね。この事件があったからこそ、現フランシス法王があると思うと感慨深いです。この事件発覚以前の最有力候補はアメリカの方で、この事件の隠蔽に加担していたために法王候補から脱落した…と記憶していますが、そのあたりもアメリカでは大きく取り上げられたのでしょうか?

以前、フィリップ・シーモア・ホフマンとメリル・ストリープ主演の「ダウト~あるカトリック学校で~」を観た際は、なんともいえないモヤモヤしたキモチが残ったのですが、この作品で少し、留飲を下げられることを願っております。

ところで、マイケル・キートン、今度こそ主演男優賞に輝きますかね?彼以外にも好きな俳優さんがたくさん出ているので、助演のノミネートも楽しみです。

ご紹介、ありがとうございました♪
Commented by Schatz1995 at 2015-12-08 07:08
ちーぷさいどさん:

当時、この衝撃的なニュースは、かなり大きく取り上げられていました。
そして次から次へと似たようなスキャンダラスな事件が公けになり、
かなり驚きました。
私が暮らしている地域は、リベラルでヒッピー文化が流行した場所柄のため
それほど宗教色は感じないけど
少しでも米国内陸部へ行くと
「どこの教会のメンバー?どこの教会に通っているの?」が挨拶言葉です。
“日夜、自分の通う教会関係のイベント活動に参加する”ことが、ごく当たり前の
“宗教が自分の生活に大きな割合を占めている”場所で育った人々には
本当に耐え難い事件だったと思います。

「ダウト」は、鑑賞後に何とも言えないくらい、気分が暗くなりますね。
P・S・ホフマンの役柄は適役でしたね。
あ~惜しい俳優が亡くなってしまいました…。

>マイケル・キートン、今度こそ主演男優賞に輝きますかね?
「SPOTLIGHT」は“この人!”という“主演”がいないんですよ。
主な出演者が同じくらいの配分で登場して
全員“主演”さもなくは全員“助演”って感じです。
だから彼が主演または助演、どちらの枠にノミネートされるかが
ポイントだと思います。
なぜなら共演のマーク・ラファロもノミネートされる確率が高いから!
私にとっては、ラファロのほうが
「あぁ~この新聞記者って本当にこういう人なんだろうな~」と感じるほど
見事に“本人になりきっていた”印象が強くてインパクト大でした。
キートンも熱演していたけど(多分その実在の記者本人を演じていたという役柄上)
淡々とした演技だったと思います。

でもオスカーって、(特に主演賞)ほとんどの俳優が
“受賞すべき作品で受賞できずに、ノミネートを重ねて、数年後に別作品で受賞する”
というパターンが多いですよね。
だからキートンも可能性あるかな~?
「BIRDMAN」でオスカーを受賞できなかったことは今でも残念です。

私もちーぷさいどさんと同じく、この映画には好きな俳優ばかり出演しています。
大体どの作品も必ず1人ぐらい嫌いな俳優が出演しているんだけど(笑)
今回は、レイチェル・マクアダムス含め出演俳優皆、私の好みの俳優ばかり!
Commented by 松たけ子 at 2015-12-08 18:38 x
こんばんは!
この映画、私も大注目してます!なかなかの秀作みたいですね!
でもほんと、いたいけな子どもが大人の薄汚い欲望の餌食になってしまうことほど、許せないものはありません!
私、マーク・ラファロが大好きなんですよ~。2年連続オスカーノミネーション、成し遂げそうでしょうか?マークの健闘を祈ってます!でも助演男優部門は、ブリッジ・オブ・スパイの人と、まさかのスタローンが強そう?ブラッドリーも、Joyで何とか…
Commented by Schatz1995 at 2015-12-09 05:42
松たけ子さん:

マーク・ラファロの魅力が更に開花された作品ですよ♪
彼の出演作品では特に「YOU CAN COUNT ON ME 」「ZODIAC」
「THE KIDS ARE ALL RIGHT」「THE NORMAL HEART」などが私は好きです!
ラファロって、作品を選ぶセンスが抜群だと思います。
今までの活躍からすれば、もうそろそろノミネートだけではなく
受賞しても良いですよね~。
ただ上記のコメントにも少し書いたように
共演のマイケル・キートンと同じカテゴリーにノミネートされたら
票が割れると思います。
2人もすばらしかったので!

>ブリッジ・オブ・スパイの人…
確かにマーク・ライランスの演技は特筆すべきモノがありました!
彼もノミネートされたら(されると思うけど…)強敵です(笑)。

「JOY」はクリスマス公開でまだ観ていないけど
ブラッドリーは今季の賞レースには不参加でしょう(笑)…残念だけど。
Commented by gabbyna at 2015-12-10 20:08
この問題は、根が深く、同じカトリック信者としては、噂をきちんと白日の下にしっかりと暴いてくれて、ジャーナリズムの力というものが感じられた事件でしたね。この映画化になった時にマークラファロが出ているので本当に嬉しいですね。
さて、マイケルキートンさん、受賞させてあげたいけれど、どうでしょうねぇ?!そんなことを考えながら映画をまた見たいですね。
Commented by Schatz1995 at 2015-12-11 05:04
gabbynaさん:

お久し振りですね!コメントありがとうございます。

様々な賞のノミネートが発表され始めていて
やはり「SPOTLIGHT」は作品賞、監督賞、脚本賞などの部門には
どの賞でもノミネートされていますね。
キャスト全体がノミネートされるアンサンブル賞もノミネート連続だけど
上記に書いたように、この映画は、出演者全員の演技がすばらしく、
良い意味で、皆そろって”助演”という感じで
飛び抜けた”主役”がいないように感じるんですよね。
だからアンサンブル賞受賞が一番ピッタリだと私は思います!
Commented by 松たけ子 at 2015-12-11 22:04 x
こんばんは!
ゴールデングローブ賞、マーク・ラファロがスポットライトじゃない作品でノミネートされてたのでビツクリです!コメディ部門みたいですが、どんな作品なのでしょうか?
それにしても今年の賞レースは、主演?助演?が何だかよくわからない状態になってるみたいで、オスカーではいったいどうなることでしょうか…とにかくスポットライト組の健闘を祈りたいです!
Commented by Schatz1995 at 2015-12-14 02:19
松たけ子さん:

「INFINITELY POLAR BEAR」は日本で言えば
シネコンではなく、単館アート系シアターで上映されるような
低予算製作作品だと思います。
私は映画自体は観ていないけど、予告編や、この映画に関してのマークのTVインタビューは観ました。
マーク扮する双極性障害の父親と娘2人のハプニングあふれる生活を描いている作品
のようです。

マークも着実に映画賞のノミネートの常連俳優になりつつありますね!
後は受賞するのみ!